2019年7月28日日曜日

tRNAとtRNA-derived fragments (tRFs)のデータベース

small RNAのデータをいじっている途中で、tRNAの配列が参照したくなって探したところ、tRexというデータベースを見つけた。論文は、昨年のPlant Cell Physiol のデータベース特集に入っていた論文(Thompson et al., 2018 PCP)で、オープンアクセスになっている。UIが良くて、使い方はすぐ分かる。元になっているのは、シロイヌナズナのsmall RNAを解析している論文について公開されているデータが元になっているようだ。情報には、tRNA、元にしているNGSデータ、そしてtRNA-derived fragmentsの3つの入り口からアクセスできるようになっている。tRNA-derived fragmentsは、tRNAの一部分からなる小分子のRNAで、sRNA-seqの中で検出される。最近では他のsmall RNAのように発現調整のような機能がある場合が示唆されているようだ。tRFsのデータベースとして先行しているものとして、tRFdbというサイトがある。ただ、主な対象となっているのはヒトやマウス、ショウジョウバエ、酵母、線虫など動物系で、分子生物学やがんゲノム系のようだった。

tRFsはtRNAのどこの部分に由来するかによって分類されているようだが、tRexでは10種類に分類しているようだ(http://combio.pl/trex/help/)。


簡単な使い方として、小分子RNAの配列をblastすることができる。すると、相同性があるtRNAと、登録されているtRFsの両方のblast結果をそれぞれ表示してくれる。それぞれのヒットを選択すると、そのtRFの基本情報に加えて、tRFがマッチするtRNAの情報や、tRFの予想される標的なども示してくれる。




tRNAを検索することもできるようになっている。データベースのすべての配列は、ダウンロードページからfasta形式のファイルとして取得することができる。


引用元:
tRex: A Web Portal for Exploration of tRNA-Derived Fragments in Arabidopsis thaliana. 
Plant and Cell Physiology, https://doi.org/10.1093/pcp/pcx173