2019年7月22日月曜日

MinION 来たる

研究室にOxford nanoporeの卓上ロングリードシークエンサーであるMinIONが購入された。数年前に登場した時には、実験室や野外でもシークエンス可能な機器の大きさと、それでいてロングリードのシークエンスが可能という性能に驚かずにはいられなかった。東大界隈で盛り上がっている話とか、実際の論文に使用例が出てきたことで、その能力や可能性、制約などいろいろな情報も揃ってきている。研究室のいくつかのテーマに利用可能とPIが判断して、今年度の予算で購入された。話で聴いていただけだが、nanopore社に登録してアカウントを作らなければならなかったり、学内手続きに時間がかかったりして結構大変だったようだ。

本体はこんな感じの箱に入ってきた。なんだかスマホとか、ちょっと高めのIT機器みたいな感じだ。本体が収められているだけで、この箱自体はとても小さい。


中を開けると、金属製の本体が入っていた。なんだろう、本当に外付けディスクか何かのようだ。


取り出してみたところ。本体の下にはUSBケーブルが入っていた。データの転送スピードが違うのだろうか、コネクタの部分の色が金色だ。


機能的に重要なのは、この本体というよりは、そこにセットするフローセルのようだ。フローセルは個別包装で、4℃保存だった。最初は、ゲノムシークエンス用のキットがちょっと多めに購入された。下は、フローセルの袋の写真だ。


これから使い方を習得しないといけないが、本体やキットには説明書らしいものは一切添付されていない。詳細情報はWebページを通して、ということらしい。また、初回のキットの購入で、チュートリアルコースの受講ができるそうだが、東京(?)まで出席しないといけないそうで、人を出すのかどうかはまだ決まっていない。

どんな使い方ができるのか、これまでの実績やラボでのニーズをよく考えてみる必要があると思う。数年前の論文の段階で、エボラ熱の監視にポータブルシークエンサーを使う、というnatureの記事があったが、サイトでの利用例も出てきていて、本当にすごい時代になったなと思う。自分が大学院生の頃、学科のABi3700系のキャピラリシーケンサーを運用していたが、データ量、シークエンサーの可搬性など、この10数年で本当に想像できないくらいの進展だと思う。