数日前、illuminaがPacific Biosciencesを買収するという記事が居室で話題になった。Nature Biotechnologyの記事を見つけてきた人がいてそれを見せてもらった。ゲノムの方で覇権を握り続けるための措置なのだろうか。今いる研究室でもPacBioでシークエンスをしている。まだ論文を出せていないが、アブラナ科植物のde novo アセンブルでpacbioを使うと、HiSeqのショートリードのみの場合よりもN50が大幅に長くなった。非モデル生物や育種系の需要では、しばらくは、illuminaが提供するショートリード+ロングリードでの新規ゲノム解析が定石の方法となるのだろうか?
ここからはilluminaの話とは別になるが、この記事を見つけてきた人が、ふとGoogle翻訳を使って記事を訳したらどうなるのかを試してみた。結果を見てびっくりした。日本語としてかなり読みやすい訳になっていたからだ。前々からGoogle翻訳の能力が上がっていることには気付いていたが、こんなにいい感じに機械が翻訳できることに単純に驚いた。
学部生には、どこの大学でも「科学英語」のような授業があるし、自分も学生の時それで論文を読んだり英語の文章を読んだりした記憶がある。一般科目の方には普通の英語の講義もたくさんあった。そこでは単純に単語を覚えたり、和訳したりする課題もたくさんあった。でも、これだけ進んだ自動翻訳の技術を見せられたら、科目としての英語も変化しないといけないんじゃないかという気がしてくる。どう変えるか、まで答えられるほどの知識も知恵もないが、課題解決型、英語でなにがしかのアクションが実際にできることそのものが評価の対象になるのではと感じる。その過程では、Google翻訳などのような、昔ならサボるための道具として忌避されていたツールを逆に使いこなすことが評価されるようになるのかもなと思った。素人考えなので実際はわからないが。